再度斜度がきつくなるP1768m地点でスキーを履き、田代沢の源頭へトラバース、1898mのコルに上がって昼食。
ここまではほぼ順調に来れたが、予定より1時間遅れだった。最近は山歩きをしていない弟だが、快調な様子がよかった。小生は気力十分だが、体が重かった。
2時間ほど登高すると傾斜が少し緩み、正面に大白沢山の岩壁「万助グラ」が近づいて見えた。我々のルートはこの岩壁の麓を右に回りこんで主稜線に乗る計画である。
山行記録
●2006年5月1日(うす曇)
朝起きた時は霧雨が降っていて心配したが、出発時には青空も出てホッと安心。
ヨッピ川から猫又川と名を変えた川の流れに沿って広大な雪原を北上する。朝の雪面は硬く締まって平地のシール滑走も軽く気持ちがよい。至仏山の滑降ルートに使われるむじな沢を過ぎ、川の右岸を進むと川岸にスキーを滑らせることができたのが幸いだった。
景鶴山を目前にする1900mのコルに到着。ここでスキーをデポした。軽くアイゼンをつけて、ピッケルを持ち直ちに出発。景鶴山頂は稜線通しでもよいのだが岩峰のある前峰を避け、しばらく北側に回りこんでから最後に直登する方法をとった。頃合を計ってから、シラビソの急斜面をよじ上がろうとしたところ雪面の下が石南花密林らしく、雪の踏み抜き多発で中々進めず時間ばかりが過ぎた。
まもなく二俣到着、ここは大白沢山から南に派生する長い尾根を挟んで右俣と左俣が出合う。この辺の谷は一面深い雪で埋まっていた。
ここで登高準備、板を背負い軽アイゼンをつけて登高開始。夏は深いやぶで登路のないこの中央尾根は積雪時には快適なルートになる。
大きなブナ林を行くと雪面に大きな熊の足跡を発見、頭上には熊棚もあり、ザックは重いがツボ足の残雪登山もなかなか楽しい。